Fulcrum RACING ZERO Nite ブレーキの音がうるさかったので対策した結果

こんにちは。
Mcqueenです!

今回はFulcrum RACING ZERO Niteの制動音(ブレーキをかけた時の音)について記事にしたいと思います。

このホイールについての詳細はいろんな方が紹介してくれていますので、インプレ的な記事にはしません。

【Fulcrum RACING ZERO Nite 概要】
リム材質:アルミ製トリプル切削-プラズマ酸化電解処理
スポーク:アルミストレートプル-エアロタイプ
ハブ  :カーボン製ボディ、アルミ製フランジ、USBベアリング
重量  :1420g(前後)
※2014当時のスペック。2017モデルのFulcrum RACING ZERO Nite C17ではありません。
参考URL:株式会社 カワシマサイクルサプライ 2014/07/09 《フルクラム 新製品情報》 アルミニウム・ホィールの最高峰 レーシングZEROがリニューアル&新製品 レーシング ZERO Nite 登場!

【特徴】
・リムのブレーキ面がPEO処理(プラズマ酸化電解処理)されており、ブレーキ性能が向上している。
特にウェットコンディションでその効果を発揮する。
・PEO処理された黒い外見のブレーキ面は、ホイール全体が引き締まって見える。
・ブレーキパッドはホイールに付属のメーカー指定ブレーキパッドを使用する必要がある。
参考URL:株式会社 カワシマサイクルサプライ 2014/12/22 重要なお知らせ: カンパニョーロ シャマル Mille / フルクラム レーシング ゼロ Nite のブレーキ・パッド適合性に関する技術情報

とても良いホイールですが、私のバイクで使っていて困る事がありました。
ブレーキをかけた時の制動音です。
速度調整の為に軽くブレーキをかけた時は無音ですが、止まろうとして本格的にブレーキをかけると「ブワ~ン!」と管楽器の様な音が大音量で出てしまうのです。

下り坂で減速しようものなら、一緒に走ってる人が「事故った??」と思う様な、騒音レベルです。

コレは乗ってても恥ずかしいし、何とかしたい!!という事でアレコレ試した結果を紹介します。

※記事中でブレーキシューまたはブレーキパッドに相当する部品について、シマノの取扱説明書ではブレーキシューと呼称していますが、今回はフルクラムの輸入代理店カワシマサイクルサプライさんの表記「ブレーキパッド」に統一しています。

【Mcqueenのバイク概要】
フレーム:FOCUS IZALCO Team Replica 2010
コンポーネント:SRAM Force
タイヤ:Vittoria Diamante pro lite 25C

以下、対策を実施した順番に書いて行きます。

1.ブレーキ調整を実施
(1)センター出し
ブレーキパッドが左右均等にホイールリムへ当たっていない事によってビビリ音が発生していると考え、センター出し調整を実施。
結果:変化なし。

(2)トーイン調整
ブレーキパッドの当たりをスムーズにしてみてはどうか?という事で、ハの字に当たるように調整を実施。
結果:変化なし。

ブレーキの調整を行っても相変わらず大きな音が出る…ナゼ!?
もしかしてブレーキパッドに問題があるのか…!?
と考えブレーキパッドに手を加える事に。

2.ブレーキパッドの加工
(1)面取りの実施
まずお伝えしたい事として、ホイールに付属してくるブレーキパッドには最初から面取りが施してあります。
ホイールの回転方向に対してブレーキパッドが最初にリムに接触する当たり面は斜めにカットされています。

パッド左側の当たり面が斜めに面取り加工されている

なので、ここでは画像でいうとパッドの上下の角をヤスリで削り、パッド当たり面の全ての角を曲面にして制動時のパッドの接触がスムーズになる様に加工しました。
結果:変化なし。

(2)スリットの追加
ここまでやっても効果が無いので、ダメもとでスリットを追加してみる事にしました。
ただ、メーカーが指定している部品なので、それなりに研究・開発された物であると信じていた為、あくまでダメもとです。
初期状態は2本のスリットですが、3本にしてパッドの振動の状況が変わる事を期待しました。

真ん中をグラインダーで削りスリットを3本に。

結果はどうだろうか…
結果:変化なし!!

3.ブレーキパッドの交換
調整ダメ、面取りダメ、スリット追加ダメ、ときたらブレーキパッド自体が悪いと疑うしかありません。
付属してきた個体が悪かったのだと思う様にしました。「きっとハズレのパッドだったに違いない」と…
という事で新品のブレーキパッドを購入。

上が新しく購入した物。下が付属時の物。

なんと、バージョンアップされている!?
よく見ると品番も変わっていた(BR-PEO500X → BR-PEO500X1)。
新しく購入した方には謎の切り欠きが入っている。これは何の為か…
とにかく何らかの改良がされている事に違いはない、これは期待したい!
と思い早速交換!
結果:変化なしっ!!!!

チクショウ!ブレーキパッドに問題は無かったという事か!
これは諦めるしかないのか…

などと思いながら暫くそのまま使用していた時にふと思い立った事がありました。
制動時に出るこの大きな音が、いわゆる一般的なブレーキ音とは違う【反響音】だという事に気づいたのです。
どういう事かと言うと、ブレーキをかけた時にシートポストを経由してサドルにまで振動が来るんです。

ここから推理の始まりです。
・これは多分キャリパーを通してフレームにまで振動が伝わってフレーム内で音が響いているのではないか??
・ブレーキの当たり調整やブレーキパッドに問題が無い事は今までの対策から実証済みである。
・おそらく制動力が強くなった事で摩擦係数が上がり、ブレーキキャリパーにかかる力が大きくなったのではないか??
・その結果、まさかとは思うがブレーキキャリパーが力を吸収出来ずに振動を起こし、フレームまで共震しているのでは?
いや、そうとしか思えない。

結論:ブレーキキャリパーを替えてみよう。

4.ブレーキキャリパーの交換
交換するに当たりメーカーの選定で迷った結果、いつかコンポをカンパニョーロにしたいと考えていたこともあり、カンパニョーロにしました。
シマノも使った事がなかったので試してみたかったのですが、デザインでカンパニョーロの方が好みでした。
モデルはレコードで行く事に。
理由はいま使っているのがSRAM Forceであり、そのキャリパーがホイールに合わないのであればその上のグレードしかないと思ったからです。
SRAM Forceの上、則ちSRAM Red。
それに相当するのはカンパニョーロではレコード。シマノではデュラエースになるな、と。

早速Wiggleで検索。
調べた結果、スーパーレコードとあまり金額が変わらない事が判明。
両方とも「在庫なし」の為、「入荷時にEメールで通知」を選びどちらか早く入荷した方を購入する事にしました。
(レコードとスーパーレコードはネジの材質が違うだけで、性能に差はないと聞いた事があるのですがお構いなし。早く入手できる方を優先しました。)

2週間程してWiggleからスーパーレコードが入荷したとの連絡が入り、早速注文。
さらに2週間程待って郵便局から荷物が届きました。
消費税と通関手数料の計1,400円を配達員に支払い受け取りをすませ、待望の新しいブレーキキャリパーとのご対面です!

今回はカンパ用のZERO Nite専用ブレーキパッドも購入。

早速SRAM Forceのブレーキキャリパーを外してカンパニョーロ スーパーレコードのブレーキキャリパーと比較。

左がSRAM Force。右がCampagnolo Super Record。

実はSRAMのブレーキキャリパーも見劣りしないカッコよさなのです。
では動きはどうか?
まずはSuper Recordのブレーキキャリパーを指で動かす。
ムムッ、これは滑らかだ。良いベアリングを使っているのがすぐに分かる。
次にSRAM Forceのブレーキキャリパーを同じように指で動かす。
ち、違う!!こっちの方が明らかにベアリングのゴロゴロ感がある…
これはもし音の問題が解決しなくても、ブレーキの操作感に大きな違いが出るハズだ!
期待に胸を膨らませながら装着。

Before:SRAM Force

After:Campagnolo Super Record

カンパニョーロの取扱説明書はとても分かり易く、取り付けも困ることなくスムーズに行えました。
センター出しやトーイン調整も取り付けながら行い、全て問題なく取り付けが終了したかに思えたその時である。
「あれっ!クイックレリーズレバーが無い…」
最初から把握しておけよ!と言われそうですが、そこについては全く考慮していませんでした…
カンパニョーロはブレーキレバー側にレリーズ機能があるんですね、何てこった。

ただ、これは大きな問題とはならず処置しました。
キャリパーのケーブル調整ナットを余分に緩めておき、予めブレーキケーブルの調整幅を大きくして取り付ける事で解決しました。
ホイールを外すときはケーブル調整ナットを目一杯締めることによってブレーキが開いていき、ホイールを外せる間隔までブレーキを広げることが出来ます。

通常時。ケーブル調整ナット(黄色い円)は大きく緩めてある。
ホイールを取り外す時。ケーブル調整ナット(黄色い円)を締めこんでいく。

写真の黄色い円がケーブル調整ナットです。ホイールを取り外す時にケーブル調整ナットを締めて、ブレーキとホイールの間隔(赤い円)を広げます。

ブレーキの動作確認とホイール着脱が出来ることを確認し、いよいよ実走へ!
問題となっていた制動音は解消するのでしょうか??

結果:音が消えた!!効果あり。いや、効果はばつぐんだ!

想像していた通り、ブレーキタッチもダイレクト感が強くなりブレーキの強弱がコントロールし易くなりました。
だいぶ時間とお金はかかったけど、問題解決できて一安心です。
これで同行者も驚かずに済むし、夜間の練習で騒音を轟かせながら住宅街を走らずに済む!
正直、ホッとしました(笑)

今回の問題についての個人的な推察ですが、RACING ZERO Niteと専用ブレーキパッドによる制動力に、ブレーキキャリパーが負けていたのではないかと結論付けました。
ただこれは現行のSRAM Forceでは起きない問題かも知れませんし、カンパニョーロのChorusでも良かったかも知れません。
明確な答えは分かりませんが、一通り考えられる原因を潰していった結果が今回の対策だったという事です。
RACING ZERO Niteで制動音が気になる時は必ずこの通りに対策するといった事ではないのでご注意ください。
ただの経験談として、「こういう事もあるのか!?」と参考にしていただけると嬉しいです。

とても長い記事になってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました!
ではまた~

Wiggle:Campagnolo – Record (レコード) デュアルピボットブレーキキャリパーセット
Wiggle:Campagnolo – Super Record (スーパーレコード) デュアルピボットブレーキキャリパーセット