おススメ自転車小説「サクリファイス」を読んでみた

こんんちは。
Mcqueenです!

今回は小説「サクリファイス」の紹介をします。

「いまさら?」と思う方もいるかも知れません。ただ、ロードレース好きとしては是非とも推しておきたい!ので記事にさせていただきます。


作品概要
・著者:近藤 史恵
・発売:2007年8月 新潮社
・あらすじ:高校時代に陸上競技で活躍し、インターハイ優勝まで成し遂げた主人公が「周りの期待や応援」に応え続ける事に重みを感じ、ふとTV観戦したツール・ド・フランスで、全選手が勝利を目指して走っている訳ではないという競技のシステムを知り自転車競技(ロードレース)に転向。しかし、所属したチームのエースには「過去に台頭してきた若手を事故に見せかけて抹殺した」という黒い噂が・・・


書評

あらすじを見て「なに?ミステリー小説?」と思った方もいるかも知れない。作者の近藤史恵氏は推理小説家である。

「推理小説家がロードレースの本って・・・どうせ浅い知識でリアリティの無い内容なんじゃないの?」と思った方は、ぜひ本作品を読んで欲しい。まず予想を裏切られるであろう。
サイクルロードレースとはどういうものかがとても分かりやすく物語の中に散りばめられていて、競技について知らなくても(知っている人についても飽きる事無く)スーッと読んでいける作品である。

後々「サクリファイスシリーズ」として続編が幾つか刊行される事になる本作品は、原則的に主人公の一人称で物語が描かれている。
我々読者は、周りの登場人物の心情や行動原理についての情報が、主人公の目線や経験からしか入ってこないのである。

従って、主人公以外の人物が何を考えているのか分からない(!?)実に見事にミステリー小説的な要素が含まれている。

主人公はチームのエースの座を狙う同期や、自分以外のエースを認めないと言われている現エースの言動について疑心暗鬼になりながらレースに挑む。
そして黒い噂となっている「過去に起きたエースの座を巡る後輩との事故」の真実を知り、作品タイトル「サクリファイス(犠牲)」が重い意味を持って主人公に投げかけられる・・・


と、詳細を書いてしまいそうですが、興味のある方は是非ご一読下さい。
気の利いた図書館には置いてあったりします。
もちろん書店、通販などでも購入可能です。

今回は本のご紹介でした!
ではまた~