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クリートの位置はどの様に決めたらいいのか?検証してみた。

こんにちは!
Mcqueenです。

今回はビンディングシューズを使用した時のクリートの位置について考察、検証してみました。

ロードバイクに乗っている方で多くの方はビンディングシューズを使っていると思います。
そこで必須なのがクリートと呼ばれるシューズとペダルを固定する為の部品です。
このクリートをシューズに取り付ける際の位置について迷った事はありませんか?

という事で、Mcqueenが今回いくつかの位置を試してみたのでご紹介します。
クリート位置を決める際の参考になれば幸いです。

1.問題点の確認
一般的にはクリートは「母子球」(足の親指付け根)あたりに取り付けましょうと言われていますよね。
でもシューズを履いた状態で母子球の位置を見付けるのって難しくありませんか?
尚且つ自分の力が最もかかっている部分は本当に母子球なのか?
そこで良いのか??
という疑問も出てきてしまったので自分で確かめてみました。

2.検証
(1)検証方法
①シート位置(高さ・前後)は変更せず、クリートの位置だけを前(つま先)側、後ろ(かかと)側に動かして実施。
②固定ローラー台を使用し、ローラーの負荷をケイデンス40~50rpmが精一杯になる程度の高い負荷に設定。
※高負荷・低回転にする事で、「踏力がきちんとペダルに伝わっているか」「スムーズにペダリングできているか」が分かり易くなる為。

(2)記事中の単語の定義
この記事では次の3つの単語を記載のように定義します。読んでいて混乱しない為です。
専門的、力学的に正しい言葉かについては無視してください。単純に「この記事ではこう呼んでいます」と言う事なのでご了承ください。
「踏力」:ペダルを踏み込む力です。
「力点」:足の裏を介して踏力が最もかかる部分です。
逃げる力」踏力がペダルに伝わらずにロスしている力です。

3.結果
(1)クリートの位置が力点と一致している場合

緑四角:クリート 白丸:ペダル軸 青線:シューズ角度
クリート(緑四角)の位置が力点と一致しているため、踏力がロスなくペダル軸(白丸)に伝わっています。

(2)クリートの位置が力点より前過ぎる場合

緑四角:クリート 白丸:ペダル軸 青線:シューズ角度
クリート(緑四角)の位置が力点に対して前過ぎるため、ペダル軸(白丸)を支点に「てこの原理」が働きシューズの角度が後ろ下がり(かかと下がり)になってしまう。
これにより踏力がクリートおよびペダル軸にうまく伝わらず、逃げる力が発生してしまう。
【主な症状】
・登り坂などの高負荷・低回転でペダリングする際に「かかとが下がっている」と感じる
・ペダリングの時に上半身がブレていると言われた事がある
・上半身がかなり疲れる
これらの症状が当たる方はクリート位置が前過ぎるかも知れません。

(3)クリートの位置が力点より後ろ過ぎる場合

緑四角:クリート 白丸:ペダル軸 青線:シューズ角度
クリートの位置が力点に対して後ろ過ぎるため、前過ぎる時とは逆方向に「てこの原理」が働きシューズの角度が後ろ上がり(かかと上がり)になってしまう。
これによりクリートが前過ぎる場合と同様に、踏力がクリート・ペダル軸にうまく伝わらず、逃げる力が発生してしまう。
(写真では分かり易くする為に大げさにかかとを上げています)
【主な症状】
・ペダリング中に「つま先が常に下を向いている」と感じる(特に低負荷・高回転の時に感じやすい)
・ふくらはぎが真っ先に攣る
これらの症状が当たる方はクリートの位置が後ろ過ぎるかも知れません。

4.考察
今回の検証で4つの発見がありました。
①クリート位置の調整は高負荷・低回転で
クリートの位置を調整する時はペダリングが「ゆっくり」「力をこめる」シチュエーションである事が一番分かり易いと感じました。
従って「ローラーの負荷を高くする」「登り坂で重いギヤを使う」など、高負荷・低回転のシチュエーションを作ってみて下さい。

②力点は常に一定位置ではない
私は一度クリート位置が決まったらそのままにしていましたが、今回色々と動かしたことでクリートの適正位置がかなり変わっている事が分かりました。
これはサドルの位置やステムの長さ、ハンドルの高さを変更した時、あとはトレーニングの練度によって力点が変わってくる事を意味しています。クリートの位置はたまに見直す必要があると感じました。

③クリートの適正位置は左右対称ではない
改めて高負荷・低回転の練習をじっくり行った事で自分のペダリングの癖として左右差があると感じました。これはクリートの位置にも影響があり、今までは何も考えずにクリートを左右対称にセットしていたので良い発見でした。

④クリート位置が適正だと平均時速が2~3km/h変わる
これは大発見です!
私はローラー練を毎回1時間行うのですが、クリートの位置が適正になった時は平均時速が明らかに速かったのです。
最速:クリート位置適正
次点:クリート位置後ろ過ぎ
最遅:クリート位置前過ぎ

クリート位置の見直し・再点検は機材に投資するよりも効果があると思います。
是非皆さんも試してみて下さい!

この検証を行うキッカケは宮澤崇史氏のトレーニング本でした。
トレーニングや機材に対する考え方が論理的に解説してあり、今すぐ役に立つエッセンスが凝縮されています。
とても参考になりました。興味のある方は是非!

ではまた~

おススメ自転車小説「サクリファイス」を読んでみた

こんんちは。
Mcqueenです!

今回は小説「サクリファイス」の紹介をします。

「いまさら?」と思う方もいるかも知れません。ただ、ロードレース好きとしては是非とも推しておきたい!ので記事にさせていただきます。


作品概要
・著者:近藤 史恵
・発売:2007年8月 新潮社
・あらすじ:高校時代に陸上競技で活躍し、インターハイ優勝まで成し遂げた主人公が「周りの期待や応援」に応え続ける事に重みを感じ、ふとTV観戦したツール・ド・フランスで、全選手が勝利を目指して走っている訳ではないという競技のシステムを知り自転車競技(ロードレース)に転向。しかし、所属したチームのエースには「過去に台頭してきた若手を事故に見せかけて抹殺した」という黒い噂が・・・


書評

あらすじを見て「なに?ミステリー小説?」と思った方もいるかも知れない。作者の近藤史恵氏は推理小説家である。

「推理小説家がロードレースの本って・・・どうせ浅い知識でリアリティの無い内容なんじゃないの?」と思った方は、ぜひ本作品を読んで欲しい。まず予想を裏切られるであろう。
サイクルロードレースとはどういうものかがとても分かりやすく物語の中に散りばめられていて、競技について知らなくても(知っている人についても飽きる事無く)スーッと読んでいける作品である。

後々「サクリファイスシリーズ」として続編が幾つか刊行される事になる本作品は、原則的に主人公の一人称で物語が描かれている。
我々読者は、周りの登場人物の心情や行動原理についての情報が、主人公の目線や経験からしか入ってこないのである。

従って、主人公以外の人物が何を考えているのか分からない(!?)実に見事にミステリー小説的な要素が含まれている。

主人公はチームのエースの座を狙う同期や、自分以外のエースを認めないと言われている現エースの言動について疑心暗鬼になりながらレースに挑む。
そして黒い噂となっている「過去に起きたエースの座を巡る後輩との事故」の真実を知り、作品タイトル「サクリファイス(犠牲)」が重い意味を持って主人公に投げかけられる・・・


と、詳細を書いてしまいそうですが、興味のある方は是非ご一読下さい。
気の利いた図書館には置いてあったりします。
もちろん書店、通販などでも購入可能です。

今回は本のご紹介でした!
ではまた~